キリバス共和国にあるこの島が「クリスマス島」と呼ばれるのは、1777年12月24日のクリスマス・イブにオーストラリア大陸などを発見したイギリスの冒険家、キャプテンクックがこの島に上陸し「クリスマス島」と名付けたことが始まりです。
当時「絶海の孤島」と呼ばれ、人が近づくことすらできなかったこの島に、帆船で上陸したキャプテンクックは、さすがにその苛酷な航海を振り返り、ロマンチックになったのかもしれません。
クリスマス島から東には7,500キロ離れたガラパゴス諸島まで、島ひとつない海がはてしなく続きます。クリスマス島は世界で一番大きなサンゴ礁で、そのサンゴ礁(島)の面積は東京都の1/3、淡路島やシンガポールに匹敵する大きさです。
また、不思議な島の形によって、西から太平洋の豊かな南赤道海流をたっぷり迎い入れることも上質の天然海水塩ができる理由のひとつです。
クリスマス島には500万羽をこえる海どりがすみついています。この海どりの大群をささえる餌は島の近くに群がる小魚です。一羽の海どりが一日150gの魚を食べるとすると、年間75,000トンの魚が必要とされます。
ここには北極や南極からの深層海流水が湧きあがっており、それに含まれる豊富なミネラルは大量のプランクトンを育み、そのプランクトンが多くの魚を育てているのです。
キリバスの人たちに「マウリ!」と笑顔で声をかけると、「マウリ!」と最高の笑顔で応えてくれます。「マウリ!」とはキリバス語で「こんにちは」の意味です。キリバスの人たちは本当に「いい」笑顔をします。見知らぬ異国からの訪問者に対して、口を横一文字にして「ニカッ」と笑います。
美しい海とゆるやかな時間の流れが、島の人たちに自然で素直な笑顔をプレゼントしたのかもしれません。